クリエイターを、「食業」に。

サウンドクリエイターとしてフリーで活動する楽曲制作者、NR-Takaの、クリエイター問題に対してあれこれ考え、書き連ねるブログです

開拓者たち

皆さん、おはようございます。

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音楽制作というと、世間のイメージも、クリエイターのイメージも、楽曲を作り、コンペに応募して、当たって仕事こなして、実績を積んで…だと思います。

もちろん、ゲーム音楽制作のように、会社に所属してサウンド制作をするというスタンスもありますが、一昔前と違い、会社でサウンドチームを抱えられるゲーム制作会社は、もっぱら名の通った大手企業しかありません。最近だとスマホゲームでサウンドクリエイター募集をかけるケースも見られますが、明らかに企業優位の椅子取りゲームです。

しかし、今目指そうとしているのは、そういう世界ではありません。

おそらく、そう考えているクリエイターは、他にも居ることでしょう…彼らと手を取り、新しいクリエイターのあり方を開拓する、開拓者になるべきだと思います。

 

形を変え始めたクリエイター業界

ゲーム音楽制作に携わるには…

音楽制作を学び、ゲーム音楽の会社が募集している採用案件に申し込み、内定をとって就職する…子供の頃はそう思っていました。しかし、21世紀になり、サウンドクリエイターを抱える企業はその数を大きく減らし、自社でサウンドクリエイターを抱える企業は有名所しかなく、ゲーム音楽制作を請け負う会社に所属し、その仕事を請け負う…もしくは、フリーのクリエイターとして外注で請け負うといった形が主流となっていました。インターネットの普及か、単なる景気の悪化なのか、派遣業務のメジャー化なのか、その理由はわかりませんが、社内でサウンドチームを抱えるという、かつて当たり前だった業態は、今は殆ど見ることがありません。

また、音楽業界においても、コンペをインターネット上で公募するなど、その門戸は広がっています。映像制作においても、BGMは外注して、納品されたBGMを映像と合成してつくり上げる、といったように、必要に応じて外注するのが主流となっています。昔と比べて、会社や組織に所属しているクリエイターの数は、大幅に減ったのではないでしょうか。

インターネットの普及が、仕事を変える

インターネットの普及は、何もクリエイターの身の置き方を変えただけではなく、クリエイターが活躍する場をも変えることになりました。

ランサー系サイトでは、楽曲制作の依頼が来ることもありますが、そこには、音楽業界や映像業界だけでなく、非業界系からの制作依頼が来ることもあります。クリエイターが集い、仕事を依頼したい人が集う場所があれば、クリエイターに仕事を依頼する敷居は下がります。そして、クリエイターは、業界系だけではないところにも、その仕事の需要があることに気づくでしょう。特に、業界と比べて非業界系のほうが圧倒的にそのパイが大きい事は言うまでもありません。

それを考えると、クリエイターの仕事は、何も業界人相手に椅子取りゲームをして摩耗するだけがそれではなく、業界とは離れたところで仕事を売っていく、そういうこともできるのではないでしょうか。

開拓者たち

インターネットを駆使した、非業界系への仕事の発掘…それに臨むクリエイターはまさに、開拓者というに相応しい人だと思います。業界を相手にやり取りするシステムは、数多の先人が踏み固めた道ですが、非業界を相手に仕事を発掘するのは、獣道を踏み固めていくような、荒れ果てた土地を開墾し、種を巻き豊作を夢見るような、まさに開拓者そのものです。

先人たちが作り上げたシステムは、豊かだが面積の少ない土壌…豊作が約束されてこそいるが、それを手にできる人はごく僅か。一方開拓者は、誰も見向きもしないような、足場が悪く荒れ果て、ヒビ割れ、雑草すら生えないやせ細った土地を開墾する…しかし果てしなく広く、もし豊かな土壌を作る術を手に入れれば、大化けすることもあるでしょう。

クリエイターを食業にする、それもまさに、開拓者の精神に則ったものです。

インターネットを駆使するなどして、目の前に広がる荒野を、実りのある大地に変えていかなければなりません。もちろん、その開拓には苦難がつきものです。一人ではどうにもならないこともあるでしょう。

だからこそ、同じ志を持ったクリエイターとつながり、同じ開拓者として、未来のクリエイター業を確立することを目指していこうと思います。