自営業は楽ですか?
皆さん、おはようございます。
クリエイター業は…アーティスト活動は総じて「自営業」に分類されます。
自営業、個人事業者としてあれこれやるという必要もあるのですが、それ以上に、会社に勤めるといった形態を取らないというのが自営業たらしめる要因としては大きいでしょう。
そんな自営業ですが…
自営業は楽なわけがない
自営業(個人事業者)は決して楽ではありません。
なにせ、一人で労働者と経営者の二足の草鞋を履かなければならないからです。
もちろん、誰かを雇えば、その人の管理をする必要も出てきますし、給料を支払わなくてはなりませんし、事業が大きくなれば税理士のお世話にもなります。そこまで至れるようになりたいものですが。
自営業の長所
自宅が職場
通勤の時間は0分、満員電車とは無縁です。
※作業場が自宅にない場合を除きます
緊急の事務対応に強い
会社では業務時間外の事務対応は翌日に持ち越しになり得ますが、自営業には会社勤めの業務時間という概念がないので、夜間~早朝の事務対応も十分可能となります。
小回りがきく
自営業の大きなメリットは、指揮官と現場員が同じということ。素早く方針を決めれば、すぐに実行に移すことも可能です。それは、企業の体を成す同業者にはない機動力と言えるでしょう。
スケジューリングの柔軟性が高い
休みを取るにも、上長の許可を得るのに難儀する必要がありません。
疲れた時に休めるので、多く休んで挽回を図るといった戦略を実行することもできます。
…自営業には会社勤めにはない部分が長所であると言えます。
とくに、台風や豪雪などで交通網が麻痺しても、会社に辿りつけず仕事ができないという事態は、自宅から離れた場所を作業所としていないかぎり無いでしょう。
しかし…
自営業に必要なもの
自営業というのはあくまでも個人事業。個人事業というのは、俺プレゼンツ俺カンパニーという、立派な1事業者です。
単純に考えて自営業に必要なのはこんな感じです。
事務
メールでのやり取り、交渉
経理
収支管理、確定申告
営業
広報・営業周り・プロモーション
企業戦略
営業戦略・機材強化
企画運営
プロジェクトの立ち上げ・進捗管理
制作
販売作品の制作・ポートフォリオ制作・機材管理
これについては、過去の記事でも挙げていますが、自営業形態を取るということは、外部委託することも含め、全てを管理しなければなりません。
自営業独特の悩み
自営業者が苛まれる悩み、それは、自営業という会社勤めではない故の問題であると言えましょう。
会社勤めに比べてだらけやすい
作業機材はすべて自前のものを使います。代表的なのはPCと、自室。
自室をふと見れば、布団がそこにあり、マンガ本がそこらにあり、食べかけのスナック菓子がテーブルにあり…作業モチベーションを削っていきます。
そして、PCにはゲームアプリがインストールされていたり、インターネットには色々なサイトのブックマークが…調べ物でインターネットに接続したが最後、いつの間にかちょっとの気分転換が時間をどんどん溶かすことに…
もちろん、自営業なので進捗管理は自分の仕事。これではいけない、と、スケジュールに従っての行動に戻ります。
しかし、すでに外は夕方、17時…
スケジュールを守れたのは、定時に業務を終えたことぐらい。
仕事と私事を区別しにくい
先にも挙げましたが、自室を作業部屋と生活空間で併用していると、仕事すべきところに仕事と関係ない物事が持ち込まれやすく、集中力に影響します。また、私生活で部屋を散らかしていると、それが仕事のパフォーマンスやモチベーションに悪影響をおよぼすことも懸念となります。
逆に、しっかり休みたい時でも、仕事の環境がちらつけば、仕事を切り離してリラックスすことができません。しっかり休めなければ、しっかりと働けません。
平日昼間に家にいることへの差別意識
24時間営業に対し「平日の朝に出勤して夜に帰宅して就寝する人しかいないと思うなよ」という声が目立つ割に、自営業や公休制度などで平日昼間が休みになるケースに対しては「この時間(平日昼間)にツイッターしてる人って働いてないの」とか言われる始末…
それはさておき、大多数が会社勤めで、平日の朝に起きて出勤し、仕事をして、夜に退社して帰宅するビジネススタイルが多い以上、未だに平日昼間に休みを充てているケースについては理解が進んでいない点は否めません。派遣社員についても、正社員よりも派遣携帯の方が動きやすく、正社員よりも稼いでいる人が多いケースが有るにもかかわらず、派遣社員…正社員ではないというだけで社会的評価が下に見られるケースがあります。
休んでいる=働いてないとみなされる
クリエイター業のように、店を持たず自室で作業をする場合、家にいたままになります。傍から見ると、勤務先に行かずに始終家にいるとみなされます。特に、会社員が働いている時間帯に家にいると、やはり働いてないとか仕事が無いと思われたりするわけです。
また、自室で仕事をしているのに、留守番対応とか来客対応に駆り出されるなど…自宅を事業所にしていると仕事を阻害する要因にもなりかねません。というか、音を出さなければいけない仕事で電話や来客の音を気にしていろなんて無理な話です。
どうすればいいのか
過去の記事でも挙げましたが、一人暮らしをして、作業部屋と生活空間を物理的に隔離する、これ最強。あとは、仕事をしてないと舐められないような雰囲気作りが必要と言えます。
とはいえ、ランニングコストが高くつく上、一人暮らしで周りの目が気にならなくなった瞬間、モラルが大暴落する事態も考えられます。そこは、マインドトレーニングで何とかするとしか言いようがありません。
自営業は自由度が高い反面、コストがかかるので、正社員としてクリエイターの仕事に携わるのも選択肢の1つと言えるでしょう。ただ…
その選択肢を選べない現状が、クリエイター界隈に蔓延しているのもまた事実…だからなし崩し的にフリーランス…自営業にならざるを得なくなった人も居るでしょう。
クリエイターとして専門的な知識技術を持った人が、仕事を手にできずあぶれる現状は、是正しなくてはなりません。