クリエイターを、「食業」に。

サウンドクリエイターとしてフリーで活動する楽曲制作者、NR-Takaの、クリエイター問題に対してあれこれ考え、書き連ねるブログです

幟(のぼり)を掲げること

 皆さん、おはようございます。

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 クリエイター業がオンラインで仕事を請け負うにおいて、必要となるのは「幟を掲げる」こと。簡単にいえば「自分はクリエイター業をやってます」ということをアピールすることにあります。

しかし、幟を掲げることは簡単そうで難しいと思います。幟を掲げること自体は難しくないのですが、それが正しくアピールされる、同業者などに紛れないようにする、逆効果にならないようにするというのは難しいでしょう。

今回は、幟を掲げることについて考えようと思います。

 

なぜ幟を掲げるのか

普通の家で商売を営んでいても、大多数の人はその家で商売が行われていることを知りません。しかし、家の前にのぼりが立っていて、仕事に関することが書いてあれば、この家では商売を行っていると気がつく人が出てくるでしょう。

オンラインでも同じで、ツイッターなどのSNSで特に仕事をしているアピールをしなければ、どういう仕事をしているのかはわからないと思います。なので、幟を掲げる…すなわち、自分がクリエイター業などの仕事を請け負っていることをアピールすることが、オンラインで仕事を獲得する上では必要になります。

また、幟を掲げることで、クライアントがクリエイターに仕事を頼むという流れが出来るだけではなく、クリエイターに関係のある人が集まるようになります。クライアントではないものの、仕事内容が気になり、仕事を依頼するかもしれない人や、クリエイターの仕事と密接に関わる他業種、同業者が集まり、情報交換や情報収集のアンテナの練磨が行われることもあります。人脈ができるというのは、クリエイターとして強いことに変わりありません。

じゃあどうやって幟を掲げるのか

インターネット上では、物理的に幟を掲げることはできません。

幟の代わりとなるもの…つまり、自分がクリエイターであるということを広報できるものを利用しなければなりません。パッと挙がるのは…

  • ホームページ
  • ブログ
  • SNSアカウント
  • 外部サービス
  • ランサー系サイト

もちろん、コンペに参加する、アーティスト活動をするなどもありますが、オンライン上で直接仕事を請け負う戦略に限定するので、この場では割愛します。

これらは幟を掲げるにおいて、掲げる分にはコストが掛かりませんが、維持するのにコストがかかる、という共通点はあると思います。幟旗を掲げておくと、雨風に晒されて摩耗したり、強風に煽られて破けたりするので、メンテナンスするのは必須です。

ホームページ

人によってはブログよりもこちらのほうが好きという方も居るかもしれません。

レンタルサーバーを借りて、そこに仕事請負用のコンテンツと連絡用の窓口を設けるというものです。有名所ではさくらインターネットレンタルサーバが使いやすいと思います。

ただ、ホームページ制作をする手間、管理のコストが高めといったデメリットは有り、ブログを主軸としている方にとっては手をつけにくいかもしれません。また、検索結果で上位に出る(単純に仕事を依頼・問い合わせされる確率に直結します)にはホームページ制作以外の要因にもコストを割かなければならないなど、ホームページに人を呼ぶのであれば制作よりも遥かに高いコストを要するでしょう。

また、ネット上では最終更新日が1年以上前のページもザラに残っていることも多く、サイトを訪れる人が一目見て、全然更新されていないと察した(しっかり更新しているにもかかわらず)場合、回れ右されるか不安を覚えたりするので、ホームページがしっかりと生きていることをアピールすることも必要になります。

ブログ

様々なブログが有り、テンプレートが整っているので記事を書いて更新すれば簡単に記事作成ができます。ブログが普及してから、創作活動に関する情報を全てブログ上で完結させるスタイルも珍しくはありません。ホームページ制作と比べると難易度は低いです。

ただ、ホームページに比べるとデザインやコンテンツの自由度は低く、ブログによっては音源のアップロードができなかったり、商用(商用を匂わせる用途)はNGだったりと、細かな制約があります。コメント欄に関係のないコメントが書き残されたり、メールアドレスを公開するとSPAMにさいなまれるといったデメリットもあります。

SNS

mixiフェイスブックのように大きいソーシャルネットワーキングサイトもありますが、ツイッターやラインのように、ツイートやコミュニティ内での会話をメインとするものまで様々です。SNSを利用するには、SNSをアカウントを取得する必要があるのが、利点でもあり欠点でもあると言えます。

話が合う人同士が結びつきやすく、仕事をしてほしい人と仕事を請け負ってくれる人が結びつきやすいことがメリットであり、また、トラブルが起こってもブロックや運営への通報といった形で対処することができます。

逆に、SNSアカウントを持っていない人が、SNS内での情報発信に気づかないケースは多く、SNSをまたいで発信するには、文字通り複数のSNSを使いこなさなければならないでしょう。当然、複数のSNSでアカウントを持つコストは、決して無視できません。

外部サービス

今や外部サービス一本を窓口として仕事を請け負っているクリエイターも居るくらいです。イラストであればPixiv、音楽であればSoundCloudなど…これもSNSといえばSNSですが、作品を見てもらうという側面が強いので、SNSとは別物のような気がします。特に、イラストレーターを探す→じゃあPixivにつないでみよう、と、仕事を振りたい人が訪れやすいという利点が大きいです。google検索で探すよりも手っ取り早く探すことができるでしょう。

但し、プロとアマチュアが混ざっているPixivでは、アマチュアを買い叩く、セミプロを良いように安く使うなどの悪い事案が横行しているのも問題です。仕事以外にも、初対面相手に痴がましくもただで制作を依頼するなどのトラブルが在る点も注意しなければなりません。

ランサー系サイト

何度もこのブログで出ていますが、いい印象がないと思います。

本来だったら、ランサー系サイトという、クライアントとランサー(クリエイター)をマッチングさせるためのポータルサイトのはずが、実際はクリエイターを安く買い叩いている事案だらけという体たらく…

一応、クライアントが仕事を出してランサーがそこにエントリーする形だけではなく、クライアントが直接ランサーに仕事を依頼することもできるのですが、ランサー系サイトがクリエイターを買い叩くことができるディスカウントストアと思われている限り、クリエイターの設けた窓口が正しく稼働することはないでしょう。

総括

様々な幟を掲げる方法を挙げてみましたが、どれも決して、維持するコストは無視できません。手を出しすぎて管理が行き届かず、ボロボロになった幟を掲げていては、逆効果とも言えます。

 

この仕事をするんだったら、ここに幟を掲げればいい。

そうすればあとは仕事の方からやって来る。

 

…クリエイターにとってこういうインフラができれば、作る方も享受する方も、双方Win-Winの時代がやって来るでしょう。