クリエイターを、「食業」に。

サウンドクリエイターとしてフリーで活動する楽曲制作者、NR-Takaの、クリエイター問題に対してあれこれ考え、書き連ねるブログです

英雄を必要としない世界へ

皆さん、おはようございます。

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クリエイター業を専業としての生活を確立することを目指すこのブログ、様々なクリエイター問題の解決のため、どうすればいいのかという提案とどうあって欲しいのかという主張を繰り広げていく方針ではありますが…

英雄を必要としない世界へ

英雄は、常に民衆からの支持を受け、讃えられる存在ではあります。

特に、スポーツの世界においては、特定のスポーツの人気が急浮上するきっかけになるのは、華々しい戦績を上げる存在が出てくる場合が多く、世間の注目を浴び、さながら英雄扱いされていることもあるでしょう。

クリエイターや芸能関連については、英雄主義、その塊と断言してもいいかもしれません。クリエイターや芸能関係は、一発当たってスポットが当たれば、名声は急騰し、面白いように仕事の方から頭を下げに並んでくる状況が発生します。それはさながら、宝くじが当たったかのような破格であるケースが多いものです。

英雄同士の戦争

しかし、英雄主義の行き過ぎは、自ら世界を滅ぼすことにもつながりかねません。

 

任意の界隈について、英雄が出ることには多大な利益がもたらされます。

  • 英雄になった存在は、莫大な人気を手に入れる
  • 英雄になった存在は、多くの仕事を手にする
  • 英雄を産んだ界隈は、多くの注目を浴びる
  • 英雄を産んだ界隈には、多くの金が落ちる

一見すると、いい事ずくめのように見えますが、所詮は等価交換、プラスの恩恵が大きければ大きいほど、同じだけマイナスの要因も大きくなります。

 

  • 英雄になった存在は、莫大な人気を手に入れる
  •  英雄になるべく、英雄を目指す存在同士が争い、傷つけ合う
  • 英雄になった存在は、多くの仕事を手にする
  •  英雄が仕事を巻き上げ、英雄になれなかった者は、職にあぶれ彷徨う
  • 英雄を産んだ界隈は、多くの注目を浴びる
  • 英雄を産んだ界隈には、多くの金が落ちる
  •  界隈は英雄を生むことに躍起になり、地道な蓄積を軽視し、一発逆転主義に向かう
  •  英雄は崇め、そうでないものを見下し、ぞんざいに扱う権力社会が助長される

 

もちろん、必然的に英雄主義になる職種も存在しますが、あまりにも英雄主義が行き過ぎた結果、先細りが懸念されている業種は、決して少なくはないと思います。

クリエイターは英雄を目指すべきなのか

クリエイターの中には、華々しい実績を打ち立てて一躍人気者になろう!と思って活動している人も多いかもしれませんし、それが結果としてクリエイター業を確立させることにもつながるとは思います。

しかし、華々しい実績を打ち立ててクリエイター業を確立するというのは、非常に高いリスクを伴います。華々しい実績を打ち立てるまで、常に消耗戦を繰り広げる必要がありますし、その消耗戦をするだけの基盤がなければなりません。当然、華々しい実績を挙げられなければ、気力・体力・経済力のいずれかが尽きてゲームオーバー。英雄主義に殉じた殉教者といえば聞こえがいいですが、実際は戦場で死した屍の一つにしかなりません。

それに、英雄を目指そうと躍起になればなるほど、英雄を欲する存在に注目されます。それは決して、あなたを英雄にしようと厚遇するのではなく、英雄を目指そうというその心意気に付け込み、無償で良いように使い、要らなくなったら捨てる…そんな無責任な存在です。そしてそれによって失われた時間や費用などのコストのツケを払わされるのは、自分自身です。

英雄なんていらない、戦士が戦える世界へ

このブログで何度もクリエイターの仕事を「クリエイター業」と書いているのは、クリエイター「という商売」であることを強調するためです。

クリエイター自身が、1商売人として交渉を進め、平等な契約を取り、然るべき仕事をして、然るべき代価を受け取る…これができることが、クリエイター業確立には欠かせません。そのためには、英雄主義に依存しない、行き過ぎた英雄主義の押しつけに対し、毅然とNoを突きつけるスタンスを持つ必要があると考えます。

もしもクリエイター業をする目的が、英雄になりたい、人気者になりチヤホヤされたいというのであれば、それは別にクリエイター業である必要はありません

例えば…朝市で隣の店よりも人参を1本でも多く売り捌きたいのであれば、極端な安値をつけて煽れば十分その目的は達成されます。しかし、朝市で人参を売る目的は、果たしてそれなのでしょうか。商売で生活を成り立たせるという段階で、極端な安値を付けて販売するという戦術はありえない、というのは十分わかるかと思います。

クリエイター業は、何も英雄主義に則り、英雄を目指すべく英雄同士が傷つけあい、闘う必要はありません。無用に英雄にならなくても、生活に困らないだけの仕事と報酬を得ることができれば、そこに何か問題があるのでしょうか。そして、このブログでは、英雄に依存することがなくとも、クリエイター業を確立することができる社会づくり、その一助を目指すことを目的とし、これからも記事を更新してまいります。

 

英雄が崇められるその背景には、彼らが英雄と崇められる要因…すなわち、英雄を欲する困窮がそこにあるからです。

荒廃した時勢に英雄が降臨した世界と、英雄を必要としない世界…果たしてどちらが平和な世界だと言えるでしょうか。

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