クリエイターを、「食業」に。

サウンドクリエイターとしてフリーで活動する楽曲制作者、NR-Takaの、クリエイター問題に対してあれこれ考え、書き連ねるブログです

プロのクリエイターになるには毎日8時間の消化が必要なのか

皆さん、おはようございます。

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ちょっと前に、「プロのクリエイターとして残れる人、脱落する人」という話題が物議を醸しました。その中でも焦点となったのは、「クリエイターは仕事や創作のために毎日8時間ぐらい費やさないとプロとして生きていけない」というところでした。

果たして、プロのクリエイターとして食業とし続けるには、1日8時間の活動が必要なのでしょうか…

 

結論です。

1日8時間ぐらい継続してやっていれば、クリエイターを生業としていくことができるでしょう。少なくとも、副業で、本業の片手までやっている人と比べると絶対的な時間が違うので、毎日8時間費やしている人には敵わないでしょう。

おしまい。

 

…終わっちゃダメだ。

8時間あれば何ができるのか

単純に創作の時間に充てられる

作品作りに充てられます。

商用素材を制作したり、デモンストレーション用の素材を用意することができます。

また、技術の実践をすることもできるでしょう。

知識技術向上のために研究できる

イラスト制作のための技術研究、新しいジャンルの音楽制作のための編曲の研究といった直接的なものから、素材の調達や取材などの間接的なものまで…

商売人としてのスキルアップができる

クリエイター業は商売です。仕事が来なければ意味がありません。

作ったものを販路に乗せる、そのために営業活動を行う、営業のための戦略を構築するなど、創作以外の必要なスキルを磨くことに使えます。

人に会う時間がある

直接的な営業といえば、アポを取って人に会うこと。もちろん、営業だけでなく、同業者に会って見聞を広めたり、セミナーに参加してスキルアップを図ったりすることもできますし、何より、人に会う時間が多いということは、相手の都合に合わせやすいので、アポを取りやすいということでもあります。そしてその中には、副業や兼業ではアポを取りにくい相手も居るでしょう…

 

もちろん、クリエイター業を進めるにあたり、8時間をしっかりと業務に使う必要があるわけで、8時間の時間があっても無駄に時間を溶かすだけではクリエイターを本業とすることはできないでしょう。

 

クリエイターを、「食業」に…

 

…終わっちゃダメだ。

毎日8時間使うことへの疑問

「クリエイターを食業とするのであれば、毎日8時間仕事に使わないといけない」と言われても、まず副業や兼業では時間が確保できません。そこからクリエイター専業を目指すにしても、8時間という絶対量を確保できない以上、どうしようもありません。

では逆に、毎日8時間使える人はどんな人なんでしょうか。

  • 現状クリエイター業で生活できる収入がある人
  • 働かなくても経済的に困ってない人
  • 本業で安定収入を確立した上で8時間確保する

この3パターンに尽きると思いますが、現実味を帯びているのは上2項でしょう。第3項をガッツリやるぞというガッツ溢れる人もいるでしょうけど、どこかで無理が祟ってクリエイター生命を奪われる事態に陥るのが関の山だと思われます。

働かなくても経済的に困っていない人となると、その条件は相当シビアになります。パッと思いつくといえば、学生か、十分な貯蓄を手にして脱サラした人か…いずれにせよ、時間制限が厳しいし、なにより、経済力が物を言います。プロの機材を揃えるには、莫大なお金が必要です。

それを考えると…毎日8時間使ってクリエイター業を維持することができるのは、現状クリエイター業で生活できる収入がある人ぐらいです。

総括

おわかりかと思いますが…巷にあふれている「クリエイター業で生き残るためには…」という戦略は、決して初心者向け、クリエイター本業を目指そうとする人向けの戦略とは限らず、むしろクリエイターとして生活を確立できているレベルの人向けの戦略であることが多いと思えます。

ただ、どうしても「現役のプロが言ってるんだから自分にとって正しい」と思い込みがちになり、プロになるために何だってする、プロが言ってることができなきゃプロには成れないんだと自身を奮わせるも、そもそもその戦略自体が本人の立ち位置に不相応であるケースであれば、ローギアで自転車を全力で漕ぎ続けるようなもの、途中で気力も体力も持って枯れてしまいかねません。

とはいえ、じゃあどうやってクリエイターになりたい人がクリエイターになるのか…

願わくば、現場でプロを育成する地盤がほしい

プロのクリエイターとして食っていくために8時間の時間を確保でき、それで生活が確立できる方法が有ります。それが、プロ候補として現場に入ることです。現場で様々な心技体を磨き、クリエイターとして育ちつつも、仕事をするので生活が保証される…何より、仕事自体が修行になるので、ガッツリとスキルアップに臨めるわけです。

しかし問題は、現場でプロを目指すという地盤そのものの敷居が高いこと。

教育するにはお金がかかる、負担になる、クリエイターを目指したい人が多く、門前で椅子取りゲームが展開される…何より現場に予算が落ちなくなり、教育をするだけの余裕がない…だから現場は即戦力を必要に応じて引っ張ってくる…で、クリエイターを育てると言ったら専門学校だが、専門学校というと良いイメージを抱かない人も多い…その間にも、クリエイター業は先行きが不透明になっていく…

クリエイターを育てることは、業界の未来を育てること。

クリエイターを食業とする戦略も大切ですが、愚直にスキルアップを図って仕事を得て、クリエイター専業を確立する環境も大切だと思います。

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