iMac Proを制作に利用することを考えてみる
皆さん、おはようございます。
昨日、「100万円を5時間以内に使い切れ」と言う記事を書き、その中で「100万円あったらMac Proを購入したい」と書きましたが、そういえばついこの間…
iMac Proが販売されましたね
iMacのプロユース仕様のハイエンドモデルである、iMac Proが発売されました。
そのスペックは、Proと名の付く通り、iMacと比較してモンスタークラスのスペックを積んでいます。Mac Proとくらべても遜色ないスペックだし、何よりディスプレイと一体化しているので導入の敷居が低いのが魅力的です。
Mac Proと比較してみると…
ディスプレイ
- iMac Pro:付属している (5K Retinaディスプレイ 5,120 x 2,880)
- Mac Pro:付属していない(最大6台のディスプレイと接続可能)
- iMac:付属している(5K Retinaディスプレイ 5,120 x 2,880)
iMacの最大の特徴は、ディスプレイまでついてくるという点。しかも解像度も一千万オーバーと広い。Mac Proはディスプレイは別途購入しないといけないが、様々なディスプレイを使うことができると考えれば汎用性があるとも言える。
iMacの画面は基本1画面だが、Thunderbolt対応ディスプレイを繋いでディスプレイを増やすことも可能ではあります。
プロセッサ
忙しい店を回すのに、スタッフが12人と18人の店、どちらがパフォーマンス良く回せるか…と考えればもはや言うことはないでしょう。
iMac Proの18コアは1コアあたりのクロック数は2.3GHzと低めですが、Mac Proの2.7GHz・12コアと比べても、単純計算で 2.3×18 > 2.7×12 であり、何よりコア数=並行処理できる数なので、1コアに処理が集中してしまうことを防げるのは大きいです。
メモリ
今のところ32GB積んで不足しているなと感じたことはないのですが、将来的に64あったほうがいいな、と思える時代は来るとは思います。
メモリは多くしてもメモリへの読み込み速度やメモリに積まれたものを使って処理する、についてはメモリ外の要因が関わってくるので、優先順位はやや低め。Mac Proの方でも、マイナーチェンジにより、128GBメモリを積むことができるようにもなるでしょう。
内部ストレージ
ここはかなり大きな差がついてしまいました。
4GBだからフュージョンドライブ(SSDとHDDの間の子)かと思ったら、4GBのSSD。
おそらくMac Proがこれから内部ストレージを増やそうにも、あの形を考えると頭打ちになってしまう感はあります。本体が大きいiMac Proに軍配が上がるといえるでしょう。
外部接続
- iMac Pro:USB-3 x4・Thunderbolt-3 x4・Ethernet x1
- Mac Pro:USB-3 x4・Thunderbolt-2 x6・Ethernet x2
- iMac:USB-3 x4・Thunderbolt-3 x2・Ethernet x1
ディスプレイの分だけ、Mac Proの方が外部接続は多い。
ただ、USB接続の機器が多いことを考えると、Mac Proの接続の多さが優位であるとはなかなか言い難い。また、現状ではThunderboltの規格が3と2で差が出てしまっている。しかしこれも、Mac Proがマイナーチェンジすることで3規格になるだろうと予想。
ストレージについてはiMac Proに軍配が上がるが、Mac Proは最初から本体の内蔵ストレージにはデータを積み込まず、Thunderboltを用いた外部ストレージとのデータのやり取りを前提としている作りであることを考えれば、Thunderboltの接続端子が多いことも頷ける。
本体の大きさと重さ
当然本体の大きさや重さはMac Proに軍配が上がる。
但し、Mac Proにはディスプレイが必須だし、外部ストレージをつける必要性が出てくるので、それらを設置する場所も確保しないといけない。ただ、本体や外部ストレージはディスプレイから離れた場所に配置しておき、作業機周りはディスプレイと作業に付随する機材だけというスッキリした配置にすることもできるだろう。
実例を挙げて比較してみる
iMac Pro ¥910,800(税抜)
- 2.3GHz・18コアCPU
- 64GB メモリ
- 1TB SSD
- その他付属品なし
Mac Pro ¥728,800(税抜)
- 2.7GHz・12コアCPU
- 64GB メモリ
- 1TB SSD
- その他付属品なし
iMac ¥495,800(税抜)
- 4.2GHz・4コアCPU
- 64GB メモリ
- 1TB SSD
- その他付属品なし
iMac Proの方は、Mac Proとある程度比較ができるように、メモリと内部ストレージを一緒にしましたが、メモリを128GB、SSDを4GB積むと、¥1,394,800というとんでもない価格に。特に、CPUをマシマシにすると+26万、メモリ128GBにすると+26万、SSDについては4TBにすると+30万という青天井。
しかし、クリエイティブな制作現場には、ハイエンド機は欠かせません。動作が遅ければ制作時間もかさみますし、強制終了の憂き目に遭う危険性も増し、何よりストレスが溜まります。できれば…ほしいところですね。
快適な制作に必要な体系は
CPUのコア数
クロックの高さを見る時代は一昔前に終わりました。クロック数が頭打ちの今、コア数が処理能力の指標であると言えます。
メモリ領域
音楽制作だったら、ソフトウェア音源の音素をプールしておく領域になり、イラストだったらレイヤーごとの画素を書き留めておく領域になります。ここが少ないと、処理のたびにメモリ領域を開放してディスクから読み込んでをするため、処理が追いつかなくなったり、ディスクを回して書き出す方にCPUを持って行かれたりと、作業のストレスに関わってきます。イラスト系はガッツリとつぎ込みたいところ。
外部ストレージ
クリエイティブな使い方をするのであれば、内部ストレージではいずれ容量がきつくなります。作業のたびに外部ストレージからプロジェクトファイルをメモリに読み込み、外部ストレージに保存するという形が主流であるといえるでしょう。
特に、Thunderboltを使った接続であればデータのやり取りは早くできるため、内部ストレージを稼ぐ必要もありませんし、外部ストレージもSSDであれば、メモリへの積み込みやメモリからの書き出しが素早く行えます。ただ現状では、SSDは容量の割に高価であるため、読み込み速度が比較的遅くなるも、安くて容量が多い外付けHDDへの保存が主流であると言えます。
それに、何かしらのはずみでシステムが不安定になり、OSのクリーンインストールが緊急である場合、内蔵ストレージにソフトウェア音源の音素やプロジェクトファイルを入れておくと、サルベージできなかったり、入れ直しに時間がかかったりすることがあります。
総合すると、CPUのコア数が多く、メモリ容量が十分あり、外部ストレージがSSD…というのが快適な作業環境である、と思うところです。もちろん、動画制作、3D制作などであれば、グラフィック面にもつぎ込む必要はありますが。
ただ、CPUのコア数を多くして、外部ストレージもSSDをメインとしたから快適になるとは限りません。今以上に作業が快適になるかもしれませんが、作業を詰めていけば動作が重くなり、トラックをフリーズする、レイヤーをマージするなど、動作を軽くするための施策をすることには変わりないでしょう。そのタイミングが後にずれると言った程度に留まってしまうかもしれません。
…というわけで、iMac Proが制作に利用できるのかどうかを考えてみた記事が、まさかこんなにボリュームいっぱいになるとは思ってもいませんでした。
プロ仕様のハイエンドモデルという名に恥じないスペックではありますが、やはりその分値段も高め。iMacはCPUコア数を稼げないことが比較すると懸念材料となりえます。
今後、iMac Proの新モデルがリリースされれば値段が落ち着く可能性もありますし、Mac Proがマイナーチェンジすれば十分比較に値すると思います。
いずれにせよ…
高い買い物になりそうですね。
おしまい。
ここからはいつものステマです。
@cfm_sonicwire
— NR-Taka(NRTサウンド代表) (@nrt_sound) 2017年12月2日
タイトル「満月大祭」
オーケストラと和の調和!
大太鼓と管弦楽の、個性とテュッティが魂に語りかける90秒をお楽しみ下さい!
※音量差が大きいので試聴の際はご注意下さい。#SONICWIREコンテスト pic.twitter.com/H6YoZ71NzY
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