即売会における「スペースいただきました」って言い方は…
皆さん、おはようございます。
もうすぐ運命の分かれ道がやってまいります。
今年の「その日」は6月8日、人によってはツイッターのタイムラインが夕方から氾濫し始めることになるでしょう。
しかし、最近になって気になることがあります、それが…
「スペースいただきました」という表現
夏コミスペースいただきました!3日目の東ワ-61A「Fiction Message」です。新刊がでます、よろしくおねがいします!
この表現には、正直違和感を覚えるところがあります。
コミケ(コミックマーケット)などの一部大規模即売会では、募集サークル数に対し、応募サークル数が上回ることがあり、その場合は抽選になります。コミケの場合、サークルの知名度などによって当選率は変化こそしますが、基本的には全サークル抽選です。なので…
「コミケスペース取れました!」
「コミケ当選しました!」
「コミケ受かりました!」
という言い方は特に違和感はないのですが…
「スペースいただきました」
という言い方だけは違和感を感じずにはいられません。
なぜ「いただきました」という言い方はいただけないのか
先にも挙げたとおり、コミケは基本抽選であり、当選落選という結果はあっても、「スペースをいただいた」という「誰かから意図的に貰った」「誰かが意図的に授けた」という印象を与える言い方はそぐわないからだと思います。
とはいえ、じゃあ「いただきました」という言い方は間違っているのか…?
…というと、現状「この言い方は間違ってる」という証拠もありません。あくまでも「『いただきました』って言い方は違和感があっていただけない」と思う程度に過ぎません。
なぜなら、「抽選をくぐり抜けて運良く当選にありつき、スペースを手に入れた」ことを「いただいた」と表現することには、何らおかしいところはないからです。
というわけで、「スペースいただきました」という言い方は、違和感を感じることこそあれ、間違った使い方ではないのでした。
おしまい。
…終わっちゃダメだ。
違和感の正体は何か
今回の記事、焦点となるのは「スペースいただきました」という言葉の違和感じゃありません。焦点となるのは「スペースいただきました」と違和感を覚えさせる物事の正体です。
そういう感じのツイートをするサークル主と思われるツイートには、ある程度の傾向がありました。
- 商業で活躍している人もいる
- 同人書店に十分委託できるほどのレベル
この2点から、「スペースいただきました」という発言に違和感を覚える理由に気づきました。それが、「商業で活躍するような実力も知名度も高いサークル主の発言」ということです。
そのサークル主が「スペースいただきました」とツイートをすること自体には、少々違和感があっても、特に気にせず聞き流す程度でしょう。しかし、徐々に同じぐらいの知名度のあるサークルが「スペースいただきました」とツイートするようになり、ねずみ算的にそういう言い方をするサークルが増えてくる…
つまり、「実力や知名度の高いサークルが、他のサークルに対して影響を与えている」ことを具現化している、それが「スペースいただきました」という発言から感じ取っているのだと思います。
違和感を放っておけない理由
もし、この影響力の強いサークルが、突然仕事の場面において「プロとして仕事を取れるようになるには、最初のうちは無償でも喜んで仕事をするべき」「仕事を請けるにあたって第一声が報酬って業界舐めてる」「クリエイターよりクライアントがずっと偉いに決まってる」とか公言し出したらどうなるでしょうか。
これも、「スペースいただきました」の言い方よろしく、みるみるうちにトップダウンするのではないでしょうか。もちろん、第一線で活躍している人がそういう発言をすれば、明らかに買い叩きの案件に対しても「(このサークルの代表)は、安くても仕事を喜んで請けろと言ってたよ?」と、反対を封殺する道具にされることは言うまでもないでしょう。
流石に現状ではそういう展開はないのですが、実力の高いサークルの言動が上から下に伝わるほど影響力が大きいことは、コミケの当落タイムラインを眺めていると思うところはあります。
…というわけで、間もなく夏コミの当落というタイミングで、こんな感じの記事を作ってはみたのですが…コミケの当落に強く違和感を覚えるのは、よくも悪くも、コミケという趣味のやり取りに、プロとアマの垣根がなくなったから、ということなのでしょうか。
プロもアマもわけ隔てなく一緒に趣味を楽しめると言えば聞こえが良く、アマチュアの世界にプロの影響力が強くにじみ出ると言えば聞こえが悪い…
いずれにせよ、プロとアマが入り交じるということが、双方に悪い影響を残さないようにあってほしいものです。
まとめ