「クリ食。」が目指したいクリエイターの姿
皆さん、おはようございます。
このタイトル、どこかで似たような記事を書いたかな…と思ったのですが、ふと書きたいと思ったので、思い立ったが吉日、認識を改める意味合いも含めて書こうと思います。
クリ食。が目指したいクリエイターの姿
近い未来、クリエイターがこうあったらいいなと思う姿、それは…
仕事をしないことです。
えっ…
いや、あのですね…
クリエイターとして仕事をして食っていきたいから、「クリエイターを、食業に。」なんてタイトルを付けたんじゃないんですか!?
どういうことなんですか?
ですから…
仕事をしないことです。
一体仕事をしないクリエイター業とはどういうことなのか…?
もしかして…
印税生活で不労所得!?
違います。
このご時世、印税が入ってきて印税生活ができるようなクリエイターはほんのごく僅かです。印税は著作権団体に楽曲を登録していない限り手に入ることはありませんし、これから先、印税を得られる方法を用いるよりも、ずっと所得が高くなる方法はいっぱい出てくると思います。
パトロンを見つけて養ってもらう!?
違います。
パトロンに雇ってもらうが通用するなら、クリエイターは皆正社員雇用されるなどして、あぶれてしまうクリエイターはいなくなるはずです。
もっとも、音楽出版社の専属クリエイターになるというのは、パトロンを見つけるというのと似たような感じはありますが。
それはさておき…
仕事をしないクリエイターってどういうコト?
結論から言うと、仕事はします。
…じゃあ、仕事をしない、ってことじゃないじゃないですか。
仕事はします。
但し、クリエイターのイメージが持っているような、仕事が来るようになったはいいが連日多忙、という状況は目指しません。
目指すのは…こんなクリエイターの姿。
仕事ひとつが十分な報酬を持つ
クリエイターとしての依頼を請けて遂行すれば、楽に最低限の月収をクリアできる程度の報酬が当たり前となる。
買い叩きがなく、十分な報酬が支払われるようになれば、同業者同士で仕事を奪い合うこともなくなります。むしろ仕事が集中した場合は、別のクリエイターに譲ることができ、結果として多くのクリエイターに仕事と報酬と実績を与えることができるでしょう。
暇な時間のほうが多い
「暇な時間」と言うと、遊んでるとかマイナスなイメージが多いですが、そうではありません。暇な時間とは、必要な仕事や休養に充てることのない、自由に使える時間のことです。
もっと仕事がしたいなら、仕事に充てればいいし、新しい知識技術導入のための勉強に充てるでもいい。誰かと会いに行ってもいいし、旅行に行ってもいい。家族サービスだってできる。
クリエイターを育てる強固な土壌が出来上がる
自由に使える時間が多ければ、当然、後進を育成するために擲つことだって可能です。仕事に対して適切な対価が支払われ、クリエイターとしての振る舞い、現場での温度の高い教育…質の高いクリエイターが、質の高いクリエイターを育てるリレーが完成すれば、クリエイターの教育はもちろん、クリエイターを目指そうと高い志を持って門を叩く人が増えていくでしょう。
しかし、こういう書き方をすると「クリエイターは時間があったら創作をしてないと一人前にはなれない」という意見と衝突してしまいます。
でも敢えて、一石を投じたいのです。
「クリエイターが時間があったら創作をしていないといけない理由とはなにか」と。
その目的が仕事を手に入れ、一人前のクリエイターになるというのであれば、目的もなく手指を動かし、未来の理想の自分に憧れを馳せて惰性で創作をすることよりも、遥かに効率的で、戦略的な方法は、今の時代なら十分見つかるのではないだろうか。
もっとぶっちゃけると…古い。
結果として「効率と戦略性を追求した結果、創作に費やす時間が増え、1日の作業時間が長くなる」ということは否定しません。もちろん、非効率だとわかっていても、作ることが楽しいのであれば、それ自体を否定するつもりはありません。作るのが楽しい、だからこのクリエイター業を目指すことにした、と言う人は多いですから。
ただ、「クリエイターは時間があったら云々」のくだりは、「10000時間費やせばプロになれる」「プロは1日8時間作業をするべき」のような、「時間を積むことが偉い」といった、根性論に近いような非論理的な意味合いを感じます。
「プロを目指した結果、これだけの時間がかかった」というのは、「これだけの時間をかければプロになれる」とはイコールにはなりません。時間を掛けることは目的ではありません。
クリエイター界隈で昔から言われていることは本当に正しいのか…常に疑問を投げかけ、論理的なアプローチにつなげていきたいと思います。
もちろん、目指したいクリエイターの姿は、現状では理想論です。
一朝一夕で築き上げられるものではありません。
しかし、クリエイターという新しいビジネスマンの形が生まれて間もない今だからこそ、無用な過去を断ち切り、過去と未来のいいところを取捨選択して、クリエイター業を盛り上げて行くチャンスだと思います。
そのためにも、クリエイター業を1食業として確立したい、同じ志を持つ人が増えていくことを願うばかりです。
クリエイターを、「食業」に。