クリエイターを、「食業」に。

サウンドクリエイターとしてフリーで活動する楽曲制作者、NR-Takaの、クリエイター問題に対してあれこれ考え、書き連ねるブログです

緊急速報エリアメールが炎上した理由

皆さん、おはようございます。

 

自粛中のGW、5/2は10:00に目を覚ました方、多いのではないでしょうか。

それもそのはず…

 

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神奈川県と東京都の一部に発信された、緊急速報エリアメール。

内容は、GWは新型ウイルス拡大を防ぐために自粛するよう要請するものでした。

同日には北海道でも同じ様にエリアメールが発信されました。

これらについての反応は

  • 休日に起こされて頭にくる!
  • いきなり通知音が爆音で再生されて驚いた!
  • 自粛しているのにわざわざエリアメールで送ってくるな!

といった、マイナスの反応で溢れ、ツイッター上ではトレンドになるほどでした。

GW(我慢するウイーク)という笑えないネタはさておいて、自粛要請を緊急速報エリアメールという形で発信する行為は問題がないのでしょうか。

緊急速報エリアメールといえば、去年10月の台風直撃時、何度か受信したかと思います。地震、台風などの災害時に情報を発信するものではあるのですが…

今回のように、新型ウイルスという社会的脅威が発生した際にも、自粛を求めるように促すメッセージを、エリアメールという形で発信することについては、何ら違法性はないということです。

GWの祝日期間の始まりのタイミングで、こういったエリアメールが送られてきたのは前代未聞とはいえ、非常時である以上、特に問題はないということでした。

おしまい。

 

…終わっちゃダメだ。

緊急速報エリアメールが炎上した理由

使われ方は正当である以上、正当でありながらも批判される理由を考えます。

その際たる理由は、おそらく「通知音が爆音で発生する」ことでしょうか。

 

例えば、携帯ゲームアプリを顔から20cmの距離で楽しんでいた時を考えます。

こちらの環境では、ゲームアプリを20cmの距離でプレイした際に程よい音量で再生した時を仮定して、20cmの距離にハンディレコーダーをおいて測定したところ、-28~-36dBという結果が出ました。

最大音量にした時、-8~12dBという結果になり、程よい音量のときと比べて+20~24dB増となりました。それは携帯端末を突き放したくなるほどの音量です。

ちなみに、上記dB表記は、マイナスが小さいほど音量が大きく、+6dBで音量(音圧)が2倍になるため、最大音量で再生している時は、実に普段の16倍の音量となるわけです。

※ここでのdB表記は、ハンディレコーダーが音割れせずに測定できる音量からの余裕を示すものであり、絶対的な音の大きさを示すものではありません。

 

そして、緊急速報エリアメールの通知音は、携帯端末の音量設定や消音モードの是非に関わらず、常に最大音量設定時と同じ音量で再生されるということです(iOSの場合)。

20cmの距離で、普段の16倍の音量が、突然耳に襲いかかってくることを考えると、いかに緊急速報エリアメールの通知音にヘイトが溜まるかも察するに余りあります。

もちろん、緊急速報エリアメールの機能をオフにすればこういう問題に晒されることはありませんが、そうなれば「緊急速報エリアメールの音が煩わしいから通知を切る」事態が多発し、緊急速報エリアメールの意義を失いかねません。最悪、緊急速報エリアメールの通知をオフにしていたために犠牲者が出た、になりかねません。

 

緊急速報エリアメールの通知音については、音量を見直してほしいと思います。

もちろん、聞こえなければ意味はないですが、その際の音量も、消音はしないものの、ある程度端末の音量設定に則したレベルになるよう調整する必要はあるのではないでしょうか。

 

今回の緊急速報エリアメールの使い方は、決して間違ってはいません。

しかし、伝える手段に配慮がなければ、たとえ正当な手段であっても、受け取る側は緊急速報エリアメールに対しての不信感を抱いてしまうことがあるのも事実です。これは「論理的に合っていれば論理で攻めて相手の感情を痛めつけ打ちのめしてもいい」と似たものがあるでしょう。

 

目的はあくまでも、危機を伝え然るべき行動をとってもらうこと…

目的を果たすに際し、目的を拒む要因を取り除くことも、ぜひ考えてほしいと思うものです。

それが何かが起こってからでは、遅いのです。