こぼしたジュース問題
皆さん、おはようございます。
10月になりました。
ようやくリアルが落ち着き始めたので、記事作成を進めていこうかと思います。
こぼしたジュース問題
子供のころ、こんな問題を聞いたことはないでしょうか。
ある子供がジュースを床にこぼしてしまいました。
ジュースを拭き取らなければなりません。
その時、ティッシュを使いますか、それとも雑巾を使いますか?
この問題の答えは?
答えは「雑巾を使う」です。
なぜなら、ティッシュを使えば、ふき取るのに何枚もティッシュを使うことになるのに対し、雑巾は拭きあげてから洗えば何度でも使えるので、無駄遣いにならないということです。
なので、この問題の答えは「雑巾を使って拭きあげる」になります。
おしまい。
…終わっちゃダメだ。
本当に答えはこれでいいのか
以前から疑問に思っていました。
この問題、洗って使える雑巾を使用することが本当に正しいのかと。
確かに、資源の無駄遣いをしないという面では、使いきりでいくつも消費するティッシュよりも、繰り返し何度でも使える雑巾の方が優れてはいます。
しかし、雑巾で拭きあげることが、本当に優れているのでしょうか。
比較してみましょう。
ティッシュを使った場合
- 拭き取るのに何枚もティッシュを使う
- 1枚当たりの拭き取れる量は少ない
- 拭きあげたらゴミ箱にポイして処分
雑巾を使った場合
- 拭き取るのにこの手の問題なら基本1枚で済む
- 1枚当たりの拭き取れる量はそれなり
- 拭きあげたら水洗いして干せば再び使える
ここで注目すべきは、3番目の「水洗いして干す」という過程。
雑巾は水洗いして干せば再び使えるのですが、ティッシュと比べて「水洗いをする際に水を使う」「洗って干した後に拭きあげた履歴が残る」点が異なります。
ティッシュが何枚も使ってもったいない、雑巾は洗ってまた使えるから経済的とは言いますが、洗うという工程で使う水についてはティッシュにはありません。場合によっては、水だけでなく、お湯にしたり、洗剤を使う場合も考えられ、そこはもったいないと突っ込まれないのでしょうか。
そして、「洗って干した後に拭きあげた履歴が残る」問題。
これがジュースではなくて牛乳だとしたらどうでしょうか。
牛乳を拭きあげれば、雑巾は拭きあげた牛乳の臭いが染みつきます。この後また、同じようにジュースをこぼした際に対処したとすれば、拭きあげることはできたけど拭きあげた場所が牛乳臭くなる、という弊害も出てくるでしょう。
また、繰り返し使用することで、雑巾の質そのものが劣化し、拭きあげたものに傷をつけるかもしれません。また、衛生面も懸念されます。
更に、雑巾を洗って干すことに労力を必要とします。
そこまで考えると、果たして本当に、雑巾でこぼしたジュースを拭きあげることが、正解と言えるのでしょうか。
じゃあ正解って何?
正解は「特性の異なるものを使い分ける」です。
床にジュースをこぼした程度であれば、雑巾のような雑な扱いができる布で拭きあげても問題ないですが、油だったり臭いがきついものについては、ティッシュやウエスなど、拭きあげた後そのまま捨てられる素材を用いるのがいいでしょう。
また、大まかに雑巾で拭きあげて、仕上げはティッシュで拭きあげるなど、両方を動員する必要もあるでしょう。
このご時世、どうしても同じ能力を持ったものは、どちらかを取捨選択する1か0かの風潮になりがちです。
特にアナログとデジタルは、しばしば対立し、どちらか片方があればもう片方はいらないという過激派まで出てくることも珍しくありません。
しかし、アナログにはアナログの良さ、デジタルにはデジタルの良さがあり、往々にしてお互いの欠点が対立する相手の利点であることが多く、デジタルが直面したトラブルを救うのは、大体アナログな技術であることが多いものです。
一つの角度だけで判断し、一つだけを選ぶよりも、様々な角度から、状況に応じて使い分けることができれば、どんなトラブルにもスムーズに対処できるでしょう。