オーディオストックがwav形式で音源販売を始めた話
皆さん、おはようございます。
オーディオストックは、筆者も楽曲を提供している楽曲販売サイトです。
この度、前々から予定されていたwav版の取扱が始まりました。
この知らせを受けて、やっとか…という思いでした。
wav版は必要なのか
これまでオーディオストックが提供していたのは、当然mp3フォーマットの音源です。しかし、今回wav版の取り扱いをはじめました。しかし、中にはmp3フォーマットで十分、wav版は必要ないという声も聞かれました。
これについては、運営、購入者、クリエイターにとってメリットがあると考えます。
mp3を統一できる
mp3形式で販売するとはいえ、mp3形式にもばらつきが有ります。ビットレートは一般的な128kbps~高音質の192kbps、最高品質の320kbpsまで…更にサンプリング周波数44100Hzだけでなく48000Hzまで…
mp3のビットレートのばらつきは、運営側からすると品質のばらつきにつながります。特に128kbps、160kbpsの音源は、320kbpsと比べると数値を見て「相対的な品質の悪さ」に思われることが考えられます。
また、クリエイターがこれまでmp3形式で作品を登録する際、48000Hzのサンプリングレートで作ってしまい、登録の際に弾かれたという手間を覚えた人は少なくないと思います。(なぜそれが起こるとかというと、制作時が96kHzなどのハイレゾで、ミックスダウンの際にmp3を同時に作る場合、勝手にダウンサンプリングするので気づかないため)
mp3=圧縮されたファイルというイメージ
mp3は、wavファイルのビットレートを巧みに調整することで、音質をさほど損ねることなく、ファイル容量を1/10程度に削減することができます。それでも、ビットレートを320kbps程度に上げれば、wavファイルの1/5程度の容量で、wavと大差ない音質で扱うこともできます。
しかし、mp3と聞いて、圧縮音源という負のイメージから抜け出すのは、なかなかに難しいとは思えます。先述しましたが、mp3にも様々なビットレートが存在します。特に気に入って購入した音源のビットレートが低かった、というのは、購入者に傷を遺し、これが元で顧客が離れれば、クリエイターや運営も、誰も幸せになりません。
それに、昨今はストレージが大容量かつ大容量ファイルをダウンロードすることが珍しくなく、数ファイル程度のwavファイルであれば、mp3ファイルという圧縮形態を選ぶ理由もありません。最初からCD-DA規格で統一されたwavファイルを手に入れれば、規格に関わるトラブルを回避することもできるでしょう。
今後はハイレゾも期待できるかも
当然、wav形式というのであれば、ハイレゾ音源の販売も視野に入ってくることでしょう。普通に聴くだけであれば、ハイレゾにする必要性は高くはないですが、音声収録や音響などの現場においては、高音質で収録した音声と規格を合わせたいというのもあるかもしれませんし、今後再生環境自体がCD-DA規格の鎖を断ち切って、ハイレゾ化する可能性だって十分に有ります。
ただ問題は、wav形式でマスター音源を預かるということは、当然運営のストレージを圧迫することになるので、サーバー周りの維持費やトラブル、登録する音源の審査の厳格化など、様々な問題が湧いてくることは避けられません。
とはいえ、クリエイターが音楽を販売することでベーシックインカムの底上げができるシステムは、非常にありがたいものです。ベーシックインカムが底上げできれば、その分の時間を、創作や研究などの投資に充てることができるのですから。
いずれは「オーディオストックだけで年収200万」とか狙ってみたいですね。
筆者が販売している音源はこちらから。
比較的、映像やバラエティ系との相性がいい曲が多いです。
よしなに。