クリエイターを、「食業」に。

サウンドクリエイターとしてフリーで活動する楽曲制作者、NR-Takaの、クリエイター問題に対してあれこれ考え、書き連ねるブログです

若者が感染拡大の原因と騒ぐの、やめませんか

皆さん、おはようございます。

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新型ウイルスの脅威は、1年以上たった今、収束どころか拡大の一途に転じています。

当然ながら、様々な対策をもって感染拡大を食い止めようとしていますが、それでも効果をなすことなく感染が広がっている現実があります。

そして、必ずそこにある…

「若者世代が感染を拡大させている」という報道。

 

わたしは、言いたいのです。

 

―直ちに、若者が感染拡大の原因だというその報道をやめるべき、と。

 

なぜ、若者を感染拡大の原因と騒いではいけないのか

 

実際、新規感染者数については、10代以下~30代の割合が半数以上を占める日は珍しくありません。

そして、連日のように、渋谷や原宿にカメラを構える報道陣…そのレンズの先には、無法地帯を作る若者の姿が映ることも珍しくありません。

ではなぜ、若者を感染拡大の原因と騒いではいけないのでしょうか。

感染者の割合が高い=感染拡大の原因とは限らない

感染する要因としては、主に飛沫感染…単純に考えて、不特定多数と長い時間滞在する環境にさらされるほど、そのリスクは高まります。

では、新規感染者に10代以下~30代の割合が高い=10代以下~30代の世代が感染の原因とイコールになるのでしょうか。

40代以上の会社員が出勤時に感染し、知らずに帰宅して家族に感染を拡大させた…それで30代以下の世代の感染者数が増えるケースは、どう見ても若い世代の感染拡大とは言えません。

もちろん、逆に30代以下が「運び屋」のケースともなることも考えられます。感染のルートは多々あるため、一概に感染者数が多い=感染拡大とは結び付きません。

感染リスクの高い生活を強いられる

特に2回目の緊急事態宣言では顕著でしたが、テレワークができるのにテレワークを導入しないという声が多く聞かれます。中には、上司が頑なに通勤にこだわっているケースもあるほどです。

また、若年層は同じ通勤をするに際しても、公共交通機関を使うことが多く、マイカー通勤と比べても感染リスクの高い状況を強いられます。

果たしてこの状況でもなお、彼らを新型ウイルスの感染拡大をする「加害者」と後ろ指させましょうか。

若者の大多数は感染防止を心がけている

報道では度々、若者は感染防止に努めていないといった言われ方をしますが、あなたが街中で見る若者の姿は、果たして報道されるそれと同じなのでしょうか。

残念ながら、報道されてしまう「悪い見本」もありますが、それでも大半は感染防止策を講じ、様々なイベントを自粛しています。そうでなければ、部活動も、大学の対面講義も、卒業式も、例年通り行われていることでしょう。

それを「若者が感染を拡大させている」と、十把一からげにまとめて非難されては、果たしてどうでしょうか。

若者をスケープゴートに、感染拡大の原因から目を背ける

新型ウイルスの流行が問題視され始めたとき、狙い撃ちされたものがありました。

それが、夜の街です。

いわゆる繁華街など、深夜営業する店舗でクラスタが発生したことに端を発し、報道は常に夜の街の動向に目を光らせるようになりました。

しかしながら、夜の街が感染を拡大させていると報道するも、徐々にその割合は夜の街以外の割合が多くなり、経路不明が多くなり…それでもなお、夜の街が感染を拡大させている要因との報道は収まりませんでした。

気づけば、夜の街以外の要因が多くなり、夜の街を執拗に攻撃していた時と比べると、感染者数は大幅に増えていたのでした。

今は正に、若者を感染拡大の原因というスケープゴートにし、その背後で原因不明の感染拡大に拍車がかかっている状況と言えるでしょう。

何かをスケープゴートにするということは、感染拡大の原因の追求から目を背けることとなるのです。

世代間の溝をいたずらに深める

ここまで述べたとおり、報道は若者が感染拡大の一端を担っているの一辺倒です。

しかしながら、街に出れば、マスクを外しているのが多いのはむしろ高齢者世代、歩きタバコをすれば必然的に顎マスク、そして、若者の感染拡大と報じる一方で、昼のカラオケで高齢者のクラスタが発生といったニュースも流れる…

こうなれば、当然若者世代が高齢者世代に、「お前らの方こそ感染防止をしていないじゃないか」との反発が沸き起こるのも必至です。そしてそれは、災禍が終息したその時に、「散々俺たちを疫病神扱いしやがって」と、忌避されたツケを社会的に払わされることにもなるでしょう。

そもそも若者だから非難するのは差別では?

東京オリンピック理事を務めた森元総理が、女性差別発言をしたと報じられて辞職に追い込まれたのは記憶に新しいかと思います。これを契機に、特定の属性(主に弱者に相当する)で差別をすることはタブー視される風潮が生まれました。

今、「若者だから」という理由で、感染拡大していると「決めつける」それは、怒りをぶつける矛先となった「差別」と、どう違わないのでしょうか。

 

そして何より…

若者世代が本当に感染爆発の引き金を引きかねない

これ以上若者を悪者扱いする報道をやめろという最たる理由は、これです。

今はせいぜい、一部の若者の目に余る行為だけが報じられていますが、これが本当に若い世代が感染を拡大させているとなれば、1日に万単位の新規感染者数を生み出しかねません。

その理由は、これまで語る通りです。

感染拡大防止に努めているにもかかわらず、報われることもなく若者というだけでひとくくりにされて非難の対象とされる。一方では高齢者世代の目に余る行動やクラスタの報道があるにもかかわらず、そちらについてはほぼお咎めなし…

極めつけは「若い世代の人はイベントは自粛してください」という一方的な押し付け

こうなれば、「自粛をするなどバカバカしい、やってられるか!」と、これまで感染防止に努めていた人が、急に手の平を返すかもしれません。なぜなら、自粛要請に応じてもメリットもなく、ただ若者というだけで非難されるデメリットしかそこに存在しないからです。自粛をするその間にも、容赦なく貴重なチャンスと若さを奪われるのです。

もちろん、若者世代の行動力の高さは、ご存じの通りです。

 

正直なところ、連日の若者世代を悪役呼ばわりする報道には、怒りを覚えるほどです。

一刻も早く若者を感染拡大の原因だと流布することを止め、何が感染拡大の原因なのかを見極め、真の感染拡大の原因を突き止め、これ以上の災禍の日々を1日も早く終わらせましょう。