高層ビルを建てるだけが建築士の仕事じゃない
皆さん、おはようございます。
クリエイター界隈で「華々しい実績を打ちたて有名になるのが目的なのか」という話題が出ていたので、急遽記事を作ることにしました。
なお、その一方ではサイトのリニューアル作業に苦戦しています。
ヒットは作家の悲願
作曲家、編曲家、漫画家、小説家、タレント、アーティスト、声優…
そのような芸能職にとって、華々しい成功による実績は誰しもが追い求めているでしょう。1つヒットすれば、それが大きな実績になり、人気が急上昇し、人気が仕事を呼び、作家業であれば印税が入ってくるのですから。
しかし…クリエイティブな仕事において、果たして華々しい成功を目指すことだけが、仕事をする目標なのでしょうか。これについては、きっぱりとNoと答えます。
作家とクリエイターは似て非なるもの
同じ楽曲制作をする人においても、作編曲家はどちらかと言うとアーティスティックな側面が強く、サウンドクリエイターはどちらかと言うと商人気質が強いと思っています。当然ながら、クリエイターと作家では、その戦略が異なってもおかしくありません。
ただ、華々しい実績を打ち立てて有名になるというのは、作家とクリエイター、どちらにも共通するにせよ、作家寄りの戦略なようにも思えます。コンペを勝ち抜き、業界関係者に認められて華々しい実績にありつき、人気を不動のものとする…おそらくそれが最短のルートではないでしょうか。もちろん、そこに至るまでに血で血を洗う争いは避けられませんが。
高層ビルを建てるだけが建築士の仕事じゃない
クリエイター業界は、世間では作家業と同じように見られることが多いですが、作家業がアーティスティックに一点突破を狙う力が強いのに対し、クリエイター業はスキルを活かして広く立ちまわることができる存在だと思っています。
もちろん、クリエイターの中にも、華々しい実績を立てて不動の人気を手中に収めたいと思う人は多いでしょう。ただ、クリエイターは広く立ちまわれることを活かさないと、もったいない気もします。
1つのヒットより、細かな積み重ね
クリエイター業はこれができるのが長所だと思っています。
確かに1つのヒットで100万!というのは、素晴らしい実績になりますし、創作冥利につきるところはあるでしょう。しかし、複数の仕事を請けて都合100万、というのも有りではないでしょうか。
100万円の仕事は100万円の所得なのか
複数の仕事を請けて100万であれば、単純に仕事の数だけ労力を必要とします。1件の仕事で100万であれば、費用対効果が良いようには見えます。
しかし、コンペを勝ち抜いて手に入れたというのであれば、1つ100万の仕事を手にするまでに費やした労力は、100万以上になる可能性だって十分に考えられますし、もしかすると100万円の報酬を手にするまでに、100万円以上の支出をしているかもしれません。逆に、複数の仕事をコツコツ請けた場合、1件の報酬こそ少ないですが、余程のことがない限り、仕事をした分がしっかりとお金になります。
それに、複数の仕事を受ければ、その分だけ実績が増えます。自分が仕事を請け負ったクライアントの数は、単純計算で仕事を請けた数に比例します。もしかしたらクライアントが別のクライアントを呼ぶ好循環を生むかもしれません。爆発力こそコンペなどには劣りますが、レッドオーシャンを回避する可能性を秘めています。
まちの大工さんになることがクリエイター業確立の精神
高層ビル1本をバーンと建てる仕事を請け負うべく、その仕事を求めて同業者と鍔迫り合いをし摩耗するよりも、コツコツと小さな家をいくつも建てていくような生き方を選択する…インターネット時代で小回りを利かせた戦略ができる今だからこそ、そういう形でクリエイター業を確立できないでしょうか。
もちろん、それを実現するには、クリエイターとしての実力以外にも求められる所は多いでしょう…特に、クリエイター業という、個人事業者であることが、それを物語っていると思います。
時代の変化とともに、創作界隈は変わっていく…
そのグラデーションに、今まさに、立っているような気がします。
クリエイターを、「食業」に。