自信のある人・自信のない人
皆さん、おはようございます。
クリエイター問題の1つに「クリエイターがプロらしくない」ということはあります。
クリエイター業とは、商売をする人、クリエイター活動を事業とすることであり、それは決して「趣味の範疇で活動していたら生活できるようになった」というものではありません。「趣味で食えるようになった」結果、プロを名乗るというのであれば、おそらく事情が変化した時にその波に耐えきれず、本職を失って路頭に迷うことでしょう。
今回はクリエイターがプロらしからぬ要因を醸し出す「自信」について考えてみようと思います。
自信がある人と無い人
クリエイターが仕事を求めるとき、大きく分けて2つのタイプに分かれると思います。
6月31日発売、セプテンバー様のPCゲーム「縦読みメッセンジャー」のOP曲とBGMの制作を担当させていただきました。
— NR-Taka(NRTサウンド代表) (@nrt_sound) 2016年7月7日
今回初めてで至らない点も多いですが、頑張りましたので、よろしくお願いします!
(-URL-)
※フィクションです
6月31日発売、セプテンバー様のPCゲーム「縦読みメッセンジャー」のOP曲とBGMの制作を担当しました。
— NR-Taka(NRTサウンド代表) (@nrt_sound) 2016年7月8日
可愛くポップなOP曲と、ライトな世界観ながらも、時にドラマチックなBGMは必聴です。よろしくお願いします!
(-URL-)
※フィクションです
実績紹介のツイートを挙げてみましたが、この2つについて、印象がだいぶ違うかと思います。
片方は、異様なまでに謙虚になっている、もう片方は、お勧めしているような堂々とした感じになっている。果たしてあなたが仕事を頼みたいクリエイターは、どちらだろうか。
つまらないものですが、は…つまらない!
もちろんそういう言い回しと言うのはありますが、それはあくまでも世間の話、「きっちりと仕事を遂行して欲しい」というのであれば、仕事ができると判断させなければ仕事を振られることはありません。
クリエイターに仕事を振るということは、クライアントがその仕事を元にプロジェクト成功につなげるということです。コンピレーションCDであれば、それぞれのクリエイターやアーティストに期日までにコンピレーションCDに即した楽曲を提出してもらわなくてはなりません。クオリティが低いは言わずもがな、提出期限や情報の秘匿を遵守されなければ、会社が不利益を被ることになり、それは最終的にクライアントの責任となります。それを考えれば、自信がなさそうな人、仕事ができなさそうな人に仕事を振らないことは、リスク回避の面からしても当たり前のこと、疑わしきは罰せよです。
自信がない人を狩る者
自信がない場合、当然仕事を振ってもらえないことが多くなりますが、中には仕事を振ってくる人がいます。
自信がない人が必ずしもクリエイターとしての実力がないかと言ったらそうでもなく、クリエイターとして十分な実力があるにも関わらず、営業戦略がうまくいかないがために実績にありつけないケースは多いです。そういう人に仕事を振ってくると、大体は「この人は自分のことをしっかり見てくれている!」と思うことでしょう。クライアントに対して良いイメージを抱くことは間違いありません。
しかし、自信がない人、駆け出しなどで実績がない人は、そこに付け込んで搾取るというケースに直面するリスクが高いです。彼らがクリエイター業としての稼ぎが低いこと、仕事の絶対数が少ないこと、武器となる実績が少ないこと、これらを熟知しているのですから、そこに付け込まれるわけです。
あとは蟻地獄に飲まれるアリが如し、無茶なスケジューリングに低報酬を押し付けられ、立場が弱くて抗えず、抗えば実績をちらつかせて封殺する…仕事を終え、手元に残ったのは僅かな報酬と莫大な疲労。しかしそれだけでは終わらない…次の仕事が入ってくる。似たような人が依頼してくる。もちろん割に合わない買い叩き案件だ。
結局仕事をこなしても生活は楽にならず、同じようなブラッククライアントばかりがやってくるようになり、体力気力財力尽きて廃業…
スタンフォード監獄実験になりうる
スタンフォード監獄実験とは
実際にスタンフォード大学で行われた実験であり、学生を「看守役」「囚人役」に分けて2週間のロールプレイを実施したところ、看守役がロールプレイの範疇を超えた、囚人役に対する暴力や罵倒、嫌がらせなどの行き過ぎた行為を行うようになり、中断を余儀なくされたという実験。これについてはお調べください。
仕事をするにあたって、クリエイターとクライアント、共に平等のいい雰囲気であっても、クリエイターがあまりにも自信がない様子を見せたり、無用に謙虚な姿勢を続ければ、クライアント優位という価値観を与え、無茶な要求を突きつけてくるケースにつながりかねません。
実力を誇張する必要はなくても自信を持つことは必要
別にプロだから「オーケストラを書かせたら右に出るものはいない」「萌え絵を描かせたら世界一ィ!」「男声から女声まで七色の声を持つ男!」とか、極端な実力アピールは必要ないですが、プロとしては自分の仕事に自信を持つことは必要であると思います。
「フグ捌いたことないんですがふぐ料理屋やってます…」そこの料理食べられますか?
「お昼のワイドショーでやってた知識をもとに医者やってます」かかりたいと思いますか?
「サンデードライバーなんですが趣味でタクシー運転手やってるんですよ」利用したいと思いますか?
もちろん、上記はすべて免許が必要なのでこんな理由では仕事を立ち上げることはできないのですが、クリエイター業の場合は必要な資格がないので、似たような事例に直面することは多いと思います。個人的にクリエイター業にも開業のための資格があって当然だとは思いますが、それについてはまた別の機会に。
クリエイターが自信を持って仕事をすること、それは仕事を引き寄せるだけでなく、クリエイターが自分の仕事に誇りと責任を持ち、遂行するというクリエイター全体のイメージを背負うことにもなります。
クリエイターの買い叩き問題は様々な理由があれ、クリエイター自身の努力により是正できるところは、1日も早く是正したいと願っています。
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